結論から先に: モニター1枚のPCでゲームしながらYouTubeを見る方法は5つあり、どれが使えるかはゲームの表示モードで決まります。いちばん手軽なのはブラウザのピクチャー イン ピクチャー(Chrome:ツールバーの「メディア コントロール」→「ピクチャー イン ピクチャーを開始」、または動画を右クリック2回→「ピクチャー イン ピクチャー」。Edge:動画にマウスを乗せて「ピクチャ イン ピクチャ」。Firefox:Ctrl+Shift+])で、小窓がデスクトップやボーダーレス(仮想フルスクリーン)のゲームの上に常に表示されます。ただし排他的フルスクリーンのゲームが始まると、小窓はその下に隠れます。Game Bar 用 Edge(Win+G → Edge ウィジェット → ピン留め・透過)と Steam オーバーレイのピン留めブラウザ(Shift+Tab)は、オーバーレイの中から同じことをします。YouTube 自身のミニプレーヤー(キー i)は YouTube のタブの中でしか使えません。ゲームの上ではなく横に、好きな大きさで動画を置き、しかもゲームにはネイティブフルスクリーン級の経路を残したいなら、Staged でゲームを仮想モニターで動かし、その隣のゾーンに YouTube を置きます。プレイ中に動画がカクつくのは、ほぼ毎回ブラウザの GPU 動画デコードがゲームと取り合いになっているためです。ゲームの FPS 上限を設定し、動画は1080p以下にし、それでも直らなければブラウザのハードウェア アクセラレーションを切り替えてください。
「ゲームしながらYouTubeを見る方法」で検索すると、上位に出てくるのはスマホのピクチャーインピクチャーや YouTube Premium のバックグラウンド再生の話ばかりです。この記事は Windows 11 の PC・モニター1枚に絞った答えです。姉妹記事ではなぜ PiP の小窓では攻略動画や配信を見るのに小さすぎるのかを扱っています。こちらは、すべての方法の手順と、うまくいかなくなる原因、その直し方を順に見ていきます。
まず知っておくこと:フルスクリーンにすると小窓が消える理由
ウィンドウがゲームの上に浮かんでいられるのは、Windows が画面の合成(コンポジット)を続けているあいだだけです。ボーダーレス ウィンドウ(ゲーム内では「仮想フルスクリーン」「フルスクリーン ウィンドウ」などの表記)や、Windows の「フルスクリーン最適化」が効いている状態では、ゲームも他と同じ一つのウィンドウなので、最前面に設定した動画ウィンドウはその上に表示されます。一方、本当の排他的フルスクリーンではゲームがディスプレイを占有し(Microsoft の DirectX チームの言葉を借りれば「ディスプレイの完全な所有権」)、デスクトップ ウィンドウ マネージャーは脇にどき、その上には何も描画できません。Game Bar のようなオーバーレイが表示できるのは、開いた瞬間に Windows がディスプレイをコンポジタに戻すからで、ブラウザの PiP ウィンドウにそんな特別扱いはありません。
ですから、以下のすべての方法に共通するルールはこうです。ボーダーレス、または「フルスクリーン最適化」が効くゲーム:使える。排他的フルスクリーン:隠れる。 遊びたいゲームに排他的フルスクリーンしかないなら、方法5に進んでください。
なお Windows 11 には、設定 → システム → ディスプレイ → グラフィック → 既定のグラフィックス設定 に「ウィンドウ ゲームの最適化」というスイッチがあります。オンにすると、ボーダーレスやウィンドウ表示のゲームでもフリップ モデルが使われ、遅延が減ります。ボーダーレスでプレイするならオンにしておく価値があります。
方法1:YouTube の「ミニプレーヤー」(YouTube のタブの中だけ)
動画の再生中にキーボードの i を押すか、プレーヤーの「ミニプレーヤー」ボタン、あるいは右クリック メニューを使います。動画は YouTube のタブの隅に小さくなり、四隅のどこにでもドラッグでき、サイズも変えられ、Esc で閉じます。ショート動画や子ども向け動画では使えません。
限界: ミニプレーヤーは YouTube のタブの中から出られません。ゲームに切り替えた瞬間に見えなくなります。これは「動画を流しながら YouTube 内を見て回る」ための機能で、ゲーム用ではありません。(2025年のプレーヤー再設計のテストで一部のユーザーからボタンが消えましたが、i キーと右クリック メニューは今も使えます。)
ついでに一つ。「ゲームルーム 終了」で検索してたどり着いた方へ:YouTube の「ゲームルーム」(Playables)は YouTube 内でミニゲームを遊ぶ機能で、動画のながら見とは無関係です。2024年3月に Premium 限定の試験提供が終了し、同年5月に全ユーザー向けに再開しています。
方法2:ブラウザのピクチャー イン ピクチャー(定番の答え)
| ブラウザ | 開き方 | ショートカット | 補足 |
|---|---|---|---|
| Chrome | ツールバーの「メディア コントロール」→「ピクチャー イン ピクチャーを開始」、または動画を右クリック2回(1回目は YouTube 自身のメニューが出ます)→「ピクチャー イン ピクチャー」 | Alt+P(Google 製の Picture-in-Picture 拡張機能を入れた場合のみ) | Chrome 134 以降は、タブを切り替えたときに動画を自動でポップアウトできます(サイトの設定「自動ピクチャーインピクチャー」)。YouTube は2025年4月から対応しています。 |
| Microsoft Edge | 動画にマウスを乗せて「ピクチャ イン ピクチャ」ボタン、またはツールバーの「音楽やビデオなどを制御する」→「ピクチャ イン ピクチャを開始」 | — | Edge 137 以降は小窓の上に操作ボタン(再生/一時停止、±10秒、シーク、ミュート)が出ます。動画上のボタンの表示は edge://settings/content/PictureInPicture で切り替えられます。 |
| Firefox | 動画にマウスを乗せて「この動画をポップアウト」 | Ctrl+Shift+] | Firefox 149 以降はショートカットを変更できます。 |
PiP のウィンドウは常に最前面で、移動もサイズ変更もできます。ただしクリックは透過しません。小窓をクリックするとゲームからフォーカスが移り、「フォーカスを失うと一時停止/最小化する」設定のゲームはそのとおりに動きます。「小窓を触ったらゲームが最小化された」という相談の正体はこれです。小窓はゲームが使っていない場所(隅、ミニマップの反対側)に置き、ボーダーレスのゲームの上にしか表示されないことを覚えておいてください。
拡張機能について: Google 製の「Picture-in-Picture Extension」は、同じネイティブ PiP をワンクリック(Alt+P)で呼び出すだけのものです。「Floating for YouTube」は長年の定番でしたが、2018年から更新されていません。「Enhancer for YouTube」のポップアップ プレーヤーは最前面固定ではありません。どれも排他的フルスクリーンは越えられません。
方法3:Game Bar 用 Edge と Steam オーバーレイのブラウザ
Game Bar 用 Edge(旧称 Game Assist、2025年1月にベータ終了):Win+G を押し、Edge ウィジェットを開いて YouTube に移動し、ウィジェットをゲームの上にピン留めし、透過を設定し、クリックをゲームに透過させるかどうかを選びます。全画面ボタンでウィジェットが動画のサイズに合います。必要なのは Windows 11 22H2 以降と Edge 137 以降です。Game Bar は Windows が合成して表示するため、ボーダーレスや「フルスクリーン最適化」のゲームの上には出ますが、本当にディスプレイを占有しているゲームでは隠れたままです。
Steam オーバーレイ: Shift+Tab → Web ブラウザ → YouTube → ウィンドウをゲームの上にピン留めし、不透明度を調整します(2023年6月の Steam クライアント更新から)。Steam から起動したゲーム限定で、ピン留めしたウィンドウはオーバーレイを開き直すまで操作できない表示専用です。
どちらも「見るだけ」には向いています。ただし、スクロールしたい攻略ページ、入力したいチャット、きちんとした大きさで見たい動画には向きません。
方法4:PowerToys「Always On Top」で好きなウィンドウを最前面に固定
Win+Ctrl+T で、アクティブなウィンドウ(たとえば YouTube を開いた小さめのブラウザ ウィンドウ)を他のウィンドウの上に固定します。PowerToys にはゲーム モード中は動作させないオプションがあり、Microsoft のドキュメントも、他の最前面ウィンドウより上に表示されることは保証できないと注意しています。フルスクリーンのルールは他と同じで、ボーダーレスなら使え、排他的フルスクリーンなら隠れます。PiP より優れているのは、ブラウザ ウィンドウそのものなので、固定を外さずにコメントをスクロールしたり別の動画に切り替えたりできる点です。
方法5:仮想モニターで、ゲームの「横」に動画を置く
ここまでの方法はすべて、ゲームの上にウィンドウを浮かべるもので、排他的フルスクリーンで消えます。Staged は逆のことをします。ゲームには専用の仮想モニターを与え、ゲームはそこで、あなたが選んだ解像度でフルスクリーン動作します。Staged はその仮想モニターを、実画面上の動かせるウィンドウ(Game Stage)として表示し、YouTube、攻略 Wiki、Discord、チャットはその横のゾーンに、好きな大きさで並びます。
- ゲームは自分のディスプレイを失わないので、動画をクリックしてもゲームは最小化も一時停止もしません。Alt+Tab も不要です。
- 当社の環境での実測結果:コンポジタのオーバーヘッドがゼロの直接ハードウェアスキャンアウト、ステージはゲームと同じフレームを表示(10/10サンプル、サブフレームの遅延)、処理オーバーヘッドは0.2 ms未満。ゲームがパネルより少ないピクセルをレンダリングする(1440pや4Kの画面で1080p)ぶん、GPU には動画デコードの余裕が生まれ、GPU バウンドの A/B テストでは最大2倍の FPS を計測しました。詳細はラボのページにあります。
- フックもインジェクションもなし:Staged はゲームのプロセスに一切触れません。
正直に書いておくと、Staged は Steam で販売する有料アプリで、動画はゲームの真上に重なるのではなく隣に並びます。Game Stage はゲーム本来のアスペクト比を保ちます。
セットアップ:Staged をインストールし、Game Stage のゾーンを作り、ブラウザ用のゾーンを追加して YouTube を割り当て、ゲームを Staged から起動します。レイアウトをプロファイルとして保存しておけば、ホットキー一つで呼び戻せます。
ゲーム中に YouTube がカクつく・画質が勝手に下がる・音が途切れるときの直し方
動画とゲームは1つの GPU を共有しています。ブラウザは GPU の動画エンジンで YouTube をデコードし(負荷は数 %)、ウィンドウを合成します。GPU 使用率 100 % に張り付いたゲームは、その取り分を奪ってしまいます。
- ゲームの FPS 上限を設定する(ゲーム内のリミッター、V-Sync、またはドライバー側)。いちばん効く対処です。
- 動画は1080pか720pに固定し、ゲームが重いなら60fpsの動画は避けます。画質が勝手に下がるのは、YouTube のアダプティブ ストリーミングが再生の詰まりに反応しているからで、回線のせいではありません。
- ブラウザのハードウェア アクセラレーション: ゲーム中だけカクつくなら、いったんオフにしてみてください(Chrome:設定 → システム)。環境によっては、ソフトウェア デコードのほうがゲームの隣では滑らかです。オン・オフ両方を試すのがコツです。
- リフレッシュレートを合わせる: 144Hz のデスクトップで 144fps のゲームと 60fps の動画を同時に動かすより、ゲームを120や72に制限したほうがフレームの配分が安定します。
- Discord のオーバーレイは、動画ウィンドウのカクつきの常連です。切って試してください。
- 音が途切れる: ブラウザとゲームの出力デバイスを Windows で同じにし、どちらかのアプリが音声デバイスを独占するなら、そのデバイスの「排他モード」を無効にします。
どの方法を選ぶべきか
| やりたいこと | 使う方法 |
|---|---|
| ボーダーレスのゲームの上に小さな動画、インストール不要 | ブラウザの PiP(Chrome/Edge/Firefox) |
| Windows 11 のゲームの上に、透過してクリックも通る動画 | Game Bar 用 Edge |
| Steam のゲームの上で、見るだけの動画 | Steam オーバーレイのピン留め |
| ボーダーレスのゲームの上にブラウザ ウィンドウ丸ごと固定 | PowerToys Always On Top |
| ゲームの横に好きな大きさで動画、ゲームは専用モニターで排他的フルスクリーン、ボーダーレスの FPS 低下なし | Staged |
よくある質問
モニター1枚でゲームしながら YouTube を見るには?
ゲームをボーダーレス ウィンドウ(仮想フルスクリーン)にして、YouTube をブラウザのピクチャー イン ピクチャーで開きます(Chrome:「メディア コントロール」ボタン、Edge:動画上のボタン、Firefox:Ctrl+Shift+])。または Game Bar 用 Edge(Win+G)か Steam オーバーレイでブラウザをピン留めします。ゲームが排他的フルスクリーンでしか動かないなら、Staged で仮想モニターを与え、その横のゾーンに YouTube を置きます。
ゲームを起動すると YouTube の小窓が消えるのはなぜですか?
ゲームが排他的フルスクリーンでディスプレイを占有しているからです。Windows が画面の合成をやめるため、最前面のウィンドウも描画されません。ゲームをボーダーレス ウィンドウやフルスクリーン ウィンドウに切り替えるか、仮想モニターで動かしてください。
小窓をクリックするとゲームが最小化されるのはなぜですか?
ブラウザの PiP はクリックを透過しないので、小窓を触った瞬間にゲームがフォーカスを失い、「非アクティブ時に最小化/一時停止」の設定が働きます。ゲーム側のその設定を切るか、Game Bar 用 Edge のクリック透過を使うか、Staged のようにゲームが自分のディスプレイを持ち続ける構成にすれば起きません。
YouTube のミニプレーヤーはブラウザのタブの外でも使えますか?
いいえ。ミニプレーヤー(キー i)は YouTube のタブの中にしか留まりません。他のアプリの上に出したいなら、ブラウザのピクチャー イン ピクチャー機能を使ってください。
ゲーム中に YouTube がカクつくのはなぜですか?
ゲームが GPU を丸ごと使っていて、ブラウザに必要な動画デコード エンジンまで取っているからです。ゲームの FPS 上限を設定し、動画を1080pか720pに下げ、ブラウザのハードウェア アクセラレーションのオン・オフを試し、Discord のオーバーレイを切って確認してください。
Game Bar に YouTube 用のウィジェットはありますか?
公式のものはありません。サポートされている手順は Game Bar 用 Edge(Win+G → Edge ウィジェット)で YouTube を開くことで、ピン留め・透過・クリック透過が設定できます。Game Bar のウィジェット ストアにはサードパーティ製の YouTube ウィジェットもありますが、Microsoft や YouTube が保守しているものではありません。
ゲームしながら YouTube を見ると FPS は下がりますか?
少し下がります。ブラウザが GPU の動画デコーダーと合成処理を使うためです。ただ多くのゲームでは、PiP のために必要なボーダーレス モードのほうが、動画そのものより多くの FPS を食います。ゲームをパネルより低いレンダリング解像度で仮想モニター上で動かした場合、Staged は GPU バウンドの A/B テストで最大2倍の FPS を計測しており、動画の取り分を十分に補えます。
参考資料
- YouTube ヘルプ:ミニプレーヤー、キーボード ショートカット、Playables(ゲームルーム)。
- Google Chrome ヘルプ:ピクチャー イン ピクチャー。Chrome Developers:Automatic picture-in-picture。
- Microsoft:Game Bar 用 Edge、Edge の PiP 操作ボタン(2025年6月)、PowerToys Always On Top、Demystifying fullscreen optimizations、DXGI flip model。
- Mozilla:Firefox のピクチャーインピクチャー。
- Valve:Steam オーバーレイの更新(2023年6月)。
- Staged:パフォーマンス実測ラボ。
